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北京 おもてなし様変わり

2016年09月06日

 中国では、客人を食事に招待するとき、食べきれないほど料理を提供することが多い(主に漢族)。「あなたを大切に思っている」という意味を込めているため、客人が食べきってしまうと「もてなしが足りない」ことになる。

 外国人が「残したら失礼」と無理して料理をたいらげ、もてなす側の中国人がさらに食事を出したという笑い話も聞く。

 その伝統もここ数年、様変わりしてきた。習近平国家主席が「ぜいたく禁止令」を打ち出した影響で「不剰菜、不剰飯」(おかずもご飯も残さない)というスローガンが北京をはじめ各地で登場。いいことだが、中国人を接待するときは困る。

 注文をほどほどにして「ケチな日本人」と思われないか、多めに注文すれば「今どきの中国を分かっていない」と見られないか不安になる。相手が共産党員で「豪華だと私が腐敗分子として処分されます」と言われたこともある。おもてなしも相手一人一人の「見極め」が必要となっている。 (平岩勇司)

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 先週、年男・年女の年を中国では「本名年」としたのは誤記で、正しくは「本命年」です。