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米クリーブランド 警官歓迎 悲しい理由

2016年09月16日

 突然、周囲で歓声と拍手が湧き起こった。米オハイオ州クリーブランドを出張で訪れ、繁華街で夕食を取るレストランを探していた時のことだ。

 振り返ると、半ズボン姿の警察官十数人が自転車に乗ってパトロールしていた。米大統領選に向けた共和党大会の開幕直前で、警戒を強める彼らに感謝と歓迎の意を示したものだった。

 1週間ほど前、テキサス州ダラスで、黒人男性が警官5人を射殺する事件が起きたばかり。一緒にいた20代の白人男性の同僚は「警官と仲良くしよう、という意識の表れ。それにしても、警官がこんなに歓迎されるのは初めて見た」と目を丸くしていた。

 近年、米国では警官が黒人を射殺する事件が続き、黒人社会と警察の関係は悪化し緊張が続く。米国に赴任して、この種の事件はいくつか取材したが、特定の人種と警察が強く憎み合う心情や社会の構図は、日本人にはなかなか理解できない。

 「こんな光景があちこちで見られるようになれば」と思ったのもつかの間、同僚は「拍手をしているのは、ほとんどが白人ですね」。長く続く不和の歴史は、根が深い。(東條仁史)

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