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カイロ 心の中の平和よ育て

2016年09月23日

 カイロ郊外のミスル工科大で8月6日に開かれた「原爆の日」の催しに足を運んだ。広島大とミスル工科大が近く交流協定を締結することが開催のきっかけとなったようだ。

 集まったのはエジプト人学生や日本の関係者を含め200人ほど。広島大の学長から平和な世界の実現を願うメッセージが寄せられたほか、広島風のお好み焼きも振る舞われた。

 ミスル工科大で日本語を学んでいるイスラさん(3年)は出席者を前に「人は心に平和を持って生まれてくるが、環境でそれをなくしてしまう。心の中の平和を大切に育てたい」と演説した。

 アラブでは、イスラム教スンニ派とシーア派、世俗派とイスラム主義派の対立を背景に殺し合いや略奪が続く。過激派は信仰が異なる者を虐殺。社会には、目にすれば怒りを覚えるほどの格差や不正義が広がる。

 わが子や両親、友人を殺害された人に「復讐(ふくしゅう)するな」と口にできるほどできた私ではない。「未来に大きな希望がある」などと楽観的に言うつもりもない。ただ、アラブから「心の中の平和」が失われてしまったわけでもない。 (中村禎一郎)

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