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サンフランシスコ 遊覧飛行「爆撃」付き

2016年10月31日

 米サンフランシスコ北にある自家用機専用飛行場で、年に一度の一般公開があった。飛行機の所有者で構成する管理団体がハンバーガーなどを振る舞う。田舎道の入り口にくくり付けられた数個の風船が、唯一目立つ宣伝なので、来場者は200人程度か。近隣から飛来する人もいる。このような飛行場は郊外の町に散見される。

 屋外のテーブルでハンバーガーを頬張っていると「いつ飛んできたの?」と声が掛かる。とっさに「車を飛ばしてきた」と応じようと思ったが、冗談は直訳しても通じない。口の中がいっぱいだというふりをして、モガモガ言ってごまかした。

 80年以上前に作られた複葉機の遊覧飛行があった。前の席は乗客で、横並びに2人掛け。後ろは普段着の操縦士。2人15分140ドル(約1万4000円)で爆撃ゲーム付き。

 カップルが乗り込んだ。自動車程度のスピードで離陸し、高度約30メートルへ。ブドウ畑の上を旋回してきて、滑走路脇の標的に機上から「爆弾」が投げ落とされると、粉のような白煙が舞い上がった。この日はほぼ無風。ブーンというエンジン音だけだった。 (岡田幹夫)