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米モーゼスレイク 宿の和食は「エンジン」

2016年11月24日

 米国で地方に出張した際、意外と困るのが朝食だ。周辺に飲食店がない場合が多く、ホテルでビュッフェスタイルの朝食を取ることになるのだが、これがちょっと苦手なのだ。パンやソーセージなどの食材に水分が少ないのか、ポソポソした食感になる。「朝のエネルギー源」と割り切って、水やジュースで流し込んでいる。

 ところが9月末、北西部ワシントン州のモーゼスレイクという街で宿泊したホテルに、炊いた白米とみそ汁があったのに驚いた。人口約2万人の片田舎になぜ-。近くの空港に、三菱航空機が開発する国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)が到着する直前のタイミング。同社の関係者らには日本人客が多い。取材で訪れた私もその1人だった。

 モーゼスレイクは2009年まで日本航空の操縦士訓練施設が置かれた「親日」の街だ。宿泊したホテルの従業員は「いつも和食を準備している。三菱の人も来てくれるし」と笑顔。

 飛行試験が本格化し、技術者の出張も増えるだろう。洋食派もいるだろうが、和食パワーで「日の丸ジェット」を完成させてほしい。 (東條仁史)