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カイロ 「スポチャン」本格再開

2016年12月01日

 チャンバラを基にした競技「スポーツチャンバラ」のエジプト大会が10月、カイロ郊外の日本人学校で開かれた。エジプト人を中心に子どもから大人まで40人が出場した。

 スポチャンは空気の入った「剣」のような道具を使い、剣道に似た形で戦う競技。日本人学校には「メン」「ドウ」「ツキ」と大きな声が響く一方、始めたばかりの選手たちの姿も。エジプト大会で優秀な成績を収めた選手ら10人は、東京で11月に開かれる世界選手権に出場する予定だ。

 このコーナーで以前紹介したが、エジプトでスポチャンの普及活動を始めたのは、カイロ郊外に住むマリアム進士洋子さん(62)。1994年の取りかかりからすでに22年を数える。

 しかし、大会は中東の民主化運動「アラブの春」に伴うエジプトの政情不安の影響で、13~15年の3年間、開催できなかった。4年ぶりの今大会は、本格的な活動再開宣言といえそうだ。

 エジプト不安定化の懸念は尽きないが、進士さんや選手たちがスポチャンに汗を流せる社会が続くことを願いたい。 (中村禎一郎)