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中国・長白山 天の池 不徳を知る?

2016年12月06日

 中国東北部・吉林省延辺朝鮮族自治州の北朝鮮との国境にある長白山(朝鮮名・白頭山)は朝鮮民族が「聖地」とあがめる観光地だ。標高約2700メートルの山頂部にある周囲14キロのカルデラ湖「天池」は、晴れた日には、透き通る湖面に青空に浮かぶ雲が映し出され、神々しいまでの絶景とされる。

 朝鮮民族発祥の地と言われるだけに、夏の観光シーズンには韓国人旅行客が殺到する。しかし、山頂部は濃霧に包まれることが多く、湖面を望むことができないケースは少なくない。韓国人の中には、日ごろの行いが悪いからだと自分を責め、「恥ずかしくて人に言えぬ」と、澄んだ湖面を目にするまで何度も足を運ぶ人もいるそうだ。

 私が訪れたのは、秋真っ盛りの快晴日。山門から頂上近くまでワゴン車で登る。標高2200メートルを超えるあたりから、深い霧が立ちこめ出し、山頂部から見下ろす天池は、完全なまでの視界不良だった。

 「現職当時の江沢民主席は3回来て、3回とも見えなかったそうです」とガイドさんは慰めた。「これも不徳の致すところ」と自分に言い聞かせるしかなかった。 (城内康伸)

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