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ソウル 不正防止が生む行列

2016年12月09日

 「これは引っ掛かる? 大丈夫?」。最近、会食の席で冗談交じりに話題に上るのが、過剰な接待を規制する韓国の新法、通称「金英蘭(キムヨンラン)法」だ。9月28日に施行され、3万ウォン(約2700円)を超える食事や5万ウォン(約4500円)を超える贈答品を、韓国の公職者に提供することが禁じられた。

 「袖の下」を通じて便宜を図るような不正はなくすべきだ。ただ、韓国には「おごりおごられ」の文化も根付いていて、今日の食事は払ってもらったから次の機会は私が-というやりとりも頻繁にある。仲間意識が生まれて心地よくもあるのだが、こうした慣習がなくなるのはある意味寂しい気がする。

 面倒な事態も起きている。韓国人はクレジットカード払いが主流であまり現金を持ち歩かないため、割り勘の場合はカードを手にした人々がレジに列をつくることに。大勢で食事した後、会計の店員は明らかに嫌そうな顔をしていた。

 「日本ではどうしているの」と尋ねる友人に、各自が現金を出して、まとめて払うことを説明すると「韓国も現金文化に戻るかな」と、ため息をついていた。 (上野実輝彦)

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