2017年01月04日
フィリピンのドゥテルテ大統領が長年、市長を務めた南部ミンダナオ島ダバオ。ドリアンやバナナなど果物の産地として有名だが、街を歩くと、マグロ料理を看板に掲げたレストランがいくつもあることに気づく。
実は、フィリピンは日本やインドネシアと並び、世界有数のマグロ漁獲量を誇る国。中でもミンダナオ島には大規模な漁港があり、マグロは身近な食材として親しまれている。
取材で知り合った運転手ドンドンさん(38)の案内でマグロ料理店に入った。ステーキ、刺し身、フィリピン風煮込みと多彩なメニューがある。彼は「日本人は赤身やトロが好きだな。俺たちはよく頭や尾の部分を食べるんだ」と笑った。
残り物を食わせやがって、と怒っているわけではなく、希少部位のうまさを自慢したかったようだ。最近は日本でもマグロのかま、ほお肉などが居酒屋で人気だと教えたら、目を丸くして驚いていた。
「日本人がマグロ好きで、ありがたい。いくらでも売れる」とドンドンさん。「それは、他の国が爆買いしているからなのでは」と私。マグロ談議は尽きなかった。 (大橋洋一郎)