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米コロンバス 偏見の連鎖凶行招く

2017年02月21日

 小さく報じられた事件の背景を知りたくて、オハイオ州コロンバスの州立大学を訪れた。

 物流管理を専攻していた男子学生が昨年11月、運転していた車で学生の列に突っ込んだ。さらにナイフを振り回して計11人にけがを負わせた後、警察官に射殺された。

 男子学生がソマリア出身のイスラム教徒だったと知り、イスラム教徒を「テロリスト」と呼んでいたトランプ次期大統領が関係しているような気がした。

 予感は的中した。男子学生は学生新聞の記者に「トランプ氏はイスラム教を学んでいない。堂々と礼拝したいが、反イスラム感情が怖い」と話していた。

 ソマリアからパキスタンに移り、2014年に難民の子供として渡米。2年制大学での成績が認められて編入した「ソマリア難民の希望の星」だった。

 信じていたことが否定され、希望が失望に変わった時、人は予期できない行動に出るのかもしれない。事件直前に「イスラム教の仲間が殺され、痛めつけられるのはたくさんだ」とフェイスブックに書き込んでいた。

 偏見や憎しみの連鎖が招く凶行。罪なき人が傷つくのは、もうたくさんだ。 (北島忠輔)

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