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韓国・釜山 初日の出に友好祈る

2017年03月01日

 韓国の南東端に位置する釜山(プサン)は、朝鮮半島では最も早く日の出を見られる地域の1つだ。出張のため釜山で年を越したついでに、ソウルよりも15分ほど早い「初日の出」を見ようと、元旦、市街地の高台に位置する釜山タワーに出掛けた。

 タワーは営業していなかったが、港を見下ろす高台のテラスには大勢の人が詰め掛け、初日の出を待っていた。隣にいた韓国人男性(68)は、こちらが日本人だと知ると「自分は貨物船に乗って、大阪によく行っていた」と片言の日本語で紹介。続けて「ここは、(南東にある)影島(ヨンド)に隠れて日の出が遅れる。多くの人は、港をまたぐ橋などに見に行っているよ」などと親切に教えてくれた。

 気象庁の予定時刻より20分ほど遅い午前7時50分ごろ、島の脇からようやく太陽が顔を出すと、周囲から「オー」と歓声が上がった。日本と同じように、太陽に向かって願い事をする人々の姿も見られた。

 昨年末に釜山の日本総領事館前に慰安婦の少女像が立てられるなど、日韓関係はまた雲行きが怪しい。隣の韓国人男性の好意を胸に、初日の出に向かって手を合わせた。 (島崎諭生)