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ジャカルタ 最悪渋滞 身をもって

2017年02月27日

 インドネシアの首都ジャカルタ中心部から郊外の空港へタクシーで向かう途中、渋滞に巻き込まれた。ジャカルタは近年、世界最悪の渋滞都市といわれているため、十分な余裕をみて出発しており、ノロノロと進んでも心配はしていなかった。

 ところが、高速道路の入り口にたどり着くと「進入禁止」の柵。理由は分からないが、閉鎖されている。笑顔で口笛を吹いていた運転手も焦り始めた。一般道を進むしかなく、バス専用レーンまで開放されたが、車が詰まって動かない。

 あきらめ顔の運転手を、同じ状況で遅れる乗客が多ければ出発の遅延もありうると励まし、何とか空港に着いたのは出発予定時刻をわずかに過ぎた後。結局、望みもむなしく定刻に離陸したことが判明し、新しい便の手配に奔走した。

 後日、ジャカルタ在住の知人に話したら「高速の閉鎖とは運が悪かったね。問題は、政府の渋滞対策が下手なことだ」という。中心部への自家用車の乗り入れ規制をあれこれ試しているが、効果は上がっていないようだ。知恵を絞り、不名誉な「渋滞都市」の称号を1日も早く返上してほしい。 (大橋洋一郎)