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インドネシア・ウブド 継承と変化の味わい

2017年03月07日

 インドネシア・バリ島を郷土料理の取材で訪れた際、現地の食文化に詳しい日本人に出会った。愛知県半田市出身で、1991年からウブドで和食店を営む佐藤由美さん(54)。今では日本人や観光客向けにバリ料理教室も開いている。貴重な話をいろいろと聞かせてもらった。

 バリ料理に欠かせないのは、地元産のスパイスだという。インドネシアは他の地域でもスパイスを多用するが、使う種類はバリが格段に多い。日本では端午の節句に風呂に入れる習慣のあるショウブも、バリ独特のスパイスとして使われる。佐藤さんは「個性的なスパイスをうまく配合し、味を引き出すことが魅力であり、難しさでもあります」と語った。

 家庭ではスパイスの使い方は母から娘へと伝えられ、佐藤さんもインドネシア人の夫の母から教わったそうだ。ただし、口伝によるレシピは「ショウガ親指1本分」「ウコン小指の先半分」といった具合。人によって量は微妙に変わり、それが新しい家庭の味になるという。

 料理教室はバリの家庭に伝わる食文化を日本へ紹介する貴重な場となっている。長く続いてほしい。 (大橋洋一郎)

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