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エジプト・ルクソール 神殿係員の「塩対応」

2017年03月28日

 ルクソール神殿の入り口で入場料60エジプトポンド(370円)を支払おうとして財布をのぞくと、200ポンド札と100ポンド札だけが入っていた。

 仕方ないので100ポンド札を出すと「10ポンド札はないのか」と係員。どうしても50ポンド札1枚で釣りを払いたかったらしい。

 しかし、持っていないものは持っていない。「ない」と答えると、その係員の口から出たのは「入場券は売れない。行け(帰れ)」。ちなみに係員の手元に40ポンドがあったのは見えた。

 ビザを見せたわけではないので、係員はアジアから訪れた観光客だと思ったはずだ。100ポンドを手渡して釣りを(係員に)寄付として渡せという意味なのか、釣りを返すのが面倒くさいのかは分からない。

 いずれにしても、遠方から一生に一度の機会だと来場したかもしれない旅行者に対する係員の毅然(きぜん)とした態度は、ある意味で称賛に値する。

 だが、エジプトは外国人観光客が減ったことで経済の低迷に苦しんでいる。テロによる治安の悪化が大きな要因とされている。しかし、それだけが要因でないこともまた、確かだと言えそうだ。 (中村禎一郎)

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