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ワシントン ストライキ ない店は

2017年05月07日

 知人の送別会でワシントンのレストランを予約していたところ、前日深夜に店員から留守電が入っていた。「従業員が『移民のいない日』のストライキに参加するので休業します」

 ストはトランプ米大統領によるイスラム諸国からの入国禁止や、不法滞在の取り締まりの強化など、移民を差別する政策に抗議する狙い。不法移民を含む外国出身者は調理人やウエーター、皿洗い、清掃などの仕事に多い。なじみの日系ラーメン店や韓国系タコス店など飲食店の休業が相次ぎ、移民がいかに地域の経済や社会生活を下支えしているかを実感させられた。

 だが、レストランの店員の留守電には続きがあった。「トランプホテル内の姉妹店は、限定メニューで営業します。よろしければ、こちらをご利用ください」。トランプ氏の関連施設で休業してこそ、存在感を見せつけられるのに、店員が足りない中でも営業を続けるという。

 ストをすれば、トランプ氏の決めぜりふのように「おまえはクビだ」と言われる懸念があったのか、移民抜きで営業していたのか。いずれにしてもやるせなさが募り、姉妹店に行く気にはなれなかった。 (後藤孝好)

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