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北京 全人代で熱心な取材

2017年05月13日

 中国で開かれていた全国人民代表大会(全人代=国会に相当)では、海外メディアはもちろん、国内の各省・自治区からも地元記者が北京に駆けつけて取材活動を繰り広げた。省トップの書記や各地の代表らが公式の場でどんな発言をするのか。ニュースとして報じるためだ。

 時には彼らの取材が日本の記者にも向けられる。貴州省の会合が始まるのを待っていると、地元から来た記者から「貴州省の印象はどうか」「なぜこの会合を取材しようと思ったのか」と矢継ぎ早に質問を受けた。

 貴州省は中国国内で貧困層が多いことで有名だ。省トップの書記は中央でも活躍が有望視されるホープでもある。雑談のつもりでそんな説明をしたが、よく見るとその記者の手にはスマートフォンが握られ、録音機能もしっかり作動している。

 日本だと勝手に録音した内容を記事にすれば批判を受けることもある。しかし、中国では逆に立派な取材方法のようだ。

 最後に首にぶら下げた取材許可証の氏名をスマホで撮影したいと言ってきた。熱心な取材だとは思ったが「匿名にしてよ」とお断りした。 (秦淳哉)