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米パームビーチ 豪華別荘の短い会見

2017年05月15日

 トランプ米大統領が「冬のホワイトハウス」と称する米南部フロリダ州パームビーチの別荘に初めて入った。2月中旬の日米首脳会談後に安倍晋三首相が招かれ、両首脳がそろって記者会見をしたためだ。

 日ごろは報道規制が厳しく、ごく一部の米メディアしか敷地内に入れない。夜中に開かれた会見には、私を含め日米の記者が約20人のほかカメラマン10人ほどが招かれた。

 パーティールームとして使われる部屋を転用した会見場は、正面の演壇に日米の国旗が並び、紺色の重厚なカーテンがかかり、大統領警護官(SS)が目を光らせる。ここまでは首都にあるホワイトハウスでの風景と変わりない。

 だが、周囲に目をやれば、高い天井から豪勢なシャンデリアが下がり、側面の白い壁には金のモザイク模様が装飾されている。部屋の後方から中庭につながる短い通路の向こうにはプールとヤシの木が見えた。

 肝心の会見は3分ほどで終わった。2人の首脳は一方的に声明を読み上げ、記者団の質問を受けずに立ち去った。贅(ぜい)の限りを尽くした宮殿のような空間で、夜中の短い会見。違和感が募った。 (石川智規)