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ソウル 大気汚染 マスクは?

2017年06月08日

 最近、韓国の天気予報に毎日出てくる「ミセモンジ」。いわゆる微小粒子状物質「PM2.5」で、厳密にいえば韓国では大気中に浮遊する10マイクロメートル以下の微細粒子「PM10」を指す。

 3月には、ソウルがインドのニューデリーに次いで世界で2番目に大気汚染がひどい都市になった日もあり、行政などはマスクの着用を呼び掛けている。

 だが、ソウルの街中でマスクを着けている人はほとんど見かけない。日本に長く暮らす韓国人の知人は、ソウルでマスクを使おうとして友人に「整形をした外国人と思われる」と止められたそうだ。別の韓国人は「息苦しいし、微細な粒子がマスクで防げるとは思えない」。

 韓国では多くの人が大気汚染は中国が原因と思っているが、実は汚染の半分以上は自動車の排ガスなど国内で発生しているという。効果不明のマスク着用の呼び掛けより、環境規制を急ぐほうが現実的なようだ。

 そうは言っても、空が白くかすむ日々が続くと、健康が心配になる。気休めだろうが何と思われようが構わないと、日本の友人が送ってくれた「PM2.5対策マスク」を着けて通勤している。 (境田未緒)