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上海 スマホで宿題即返信

2017年06月19日

 「ニーハオ」「謝謝」「再見」の3つだけを覚えて上海に来た妻は目下、当地の大学で各国の留学生に交じって週5回、中国語の授業を受けている。

 指導はなかなか厳しい。先生は毎日、どっさり宿題を出してくれる。次の授業で提出すればいいのではなく、その日のうちにやり終えて、スマートフォンでノートを写真に撮り、中国版LINE(ライン)の微信で先生に送らなければいけない。程なくして正解が返ってくる。

 発音練習も同じだ。スマホに向かって単語の発音を吹き込んで送ると、先生も肉声で矯正してくれる。

 微信はお金の支払いもできて便利この上ないのだが、支払いも宿題の提出もスマホであっという間に済ませる中国人のスピード感には舌を巻く。

 でも待てよ。仕事を終えた先生は、家でくつろいでいるときに、学生の宿題を点検しているはずだ。残業代はどうなっているのか。自宅での作業に残業代が付くとは考えにくい。

 大量の宿題に悲鳴をあげつつ、毎朝8時に大学に出掛ける妻。すこぶる付きの熱心な先生でなかったら、くじけていたかもしれない。 (浅井正智)