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パリ 国の分断 その双肩に

2017年07月07日

 5月7日夜、パリのルーブル美術館前に集まった群衆は数万人に膨れ上がった。「あなたたちは勝った!」。若きリーダーが声を張り上げると、三色旗がはためく。さまざまな肌の色の人たちが笑顔で入り乱れていた。

 エマニュエル・マクロン氏(39)がフランスの「顔」に決まった。数年前まで大半の国民には無名の存在が大統領というトップまで駆け上がった。「国を刷新する」と語る姿に国民が希望を見いだした結果だろう。

 ただ、マクロン氏が歩むのはいばらの道だろう。

 取材で、主要産業の衰退に直面した街の人々や事業を断念した酪農家らに出会った。共通しているのは既存のシステムへの失望と怒り。「捨てられた」という思いが、「フランスを取り戻す」と訴えた極右のルペン氏の台頭を後押しした。

 いわば国を「開く」マクロン氏と「閉じる」ルペン氏。交わることのない2人の主張は、今のフランスが抱える「分断」の象徴でもある。

 「国民の怒りは理解している」。7日のテレビ演説でマクロン氏はこう語った。新大統領にとっても、それは挑戦以外のなにものでもない。(渡辺泰之)

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