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北京 無残な姿 もう二度と

2017年07月22日

 夕日を浴びて立つ、繊細な彫刻が施された「大水法」と称される石門は、往時のバロック式洋風建築の荘厳さを、かすかにしのばせていた。しかし、周辺のいたる所には、無数の巨石が無造作に転がっており、胸が締め付けられる。

 北京北西部にある、かつて清朝の離宮として使われた、広さ約350ヘクタールに上る庭園「円明園」。その北端にあるのが「西洋楼遺跡区」だ。

 西洋楼は1706年、康熙帝の時代にイタリア人宣教師が設計に加わり建築が始まった、数多くの彫刻や噴水で飾られた西洋式庭園だった。しかし、第2次アヘン戦争の最中だった1860年、進駐した英仏連合軍が破壊の限りを尽くした。

 ほぼ破壊されたままの状態で保存され、公開されている遺跡は、中国にとって、西洋列強に蹂躙(じゅうりん)された「国恥」の歴史を象徴する存在のようだ。北京郊外から参観に来ていた男性は「今の中国は最強だ。二度とこんな目に遭うことはない」と勢い込んで話した。

 無残な遺跡の様子を目の当たりにして、地元の人々は「中華民族の復興」に意を強くするのだろうか。 (城内康伸)

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