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米マッキニー 間違いがなければ…

2017年08月11日

 「記者なら、善しあしを判断する前にやってみないと」。そう言われて反論もできず、促されるままに車に乗り込んだ。

 テキサス州ダラス近郊のマッキニー。20丁ほどのコレクションを持つ銃安全インストラクターのレネ・ロドリゲスさんに「身を守るために銃を持つというが、一度には使えない。どうしてそんなに銃が必要なのか」と疑問をぶつけた。

 「銃によって性能は違う。ゴルフや山登りと同じ。いろんな道具を使いこなす快感、わかるでしょ」。ロドリゲスさんはそう言って、朗らかに笑った。

 車を止めた先は、地平線まで見渡せそうな平原。15発ほど連射できるハンドガンから、50メートル以上も離れた的に命中させられるライフルまで、5種類ほどの銃を撃たせてくれた。

 見た目以上に重い。発砲時の反動も予想より大きい。でも操作は簡単で、何かの間違いで弾が飛び出てしまったらと思うと落ち着かない。

 心の内を察したように、ロドリゲスさんは言った。「大丈夫。君が間違わなければ事故は起きない」。間違わなければ…。やはり、私は銃を持つべきではないようだ。 (北島忠輔)