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ダッカ この先もずっと平和

2017年08月13日

 世界一の人口密度といわれるバングラデシュの首都ダッカの中でも、ひときわ混雑が目立つ街「オールド・ダッカ」を訪ねた。川沿いに発達し、水運の拠点でもある。ちょうどイスラム教のラマダン(断食月)終盤で連休が始まり、船着き場は帰省客でごった返していた。

 川を離れて少し歩くと、ヒンズー教徒の集まる地区があった。バングラデシュはイスラム教徒が9割を占め、ヒンズー教徒は少数派だ。ここでは断食も関係なさそうで、人々は狭い路地の道端で紅茶を飲み、お菓子を食べて談笑していた。

 同じダッカにあって、ラマダンの日中には水も口にしない多数派イスラム教徒の世界とは対照的。部外者には不思議に思えたが、ずっと昔から変わらない光景なのだろう。痩せた体に険しい顔で、修行僧のような紅茶売りの老人は「商売を始めて40年以上になるが、ここはずっと平和だ」と話した。

 1年前に日本人が犠牲になった飲食店襲撃テロをはじめ、このところ過激思想に基づいた排他的な事件が増えているバングラデシュだが、異教徒が共存できるおおらかな国であり続けてほしい。(大橋洋一郎)

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