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ニューヨーク スマイルの国だもの

2017年08月17日

 米ニューヨークの国連本部に入るためのパスを更新した。受付の黒人女性に「写真は前回のパスと同じでいい?」と聞かれ「疲れた顔をしているので撮り直したい」と答えたら、笑いながら「分かるわ」と撮影場所に通してくれた。

 更新前の写真は疲れ切った表情に、強風にあおられ髪の毛はぼさぼさ。ひどい風体だったのだ。今回は、背筋も伸ばして顎を引き、目に力をいれてカメラに向かった。写真の出来栄えも昨年よりはいくらかましで、無事にパスを受け取った。

 その直後、撮影してくれた黒人女性が「プー」と噴き出して大爆笑。理由を聞いても、手を振って大笑いするだけ。笑い声を聞きながら、釈然としない気持ちでその場を去った。

 想像するに、張り詰めた感じの私の表情が、さぞかし滑稽だったのだろう。確かに米国では運転免許証の写真でも笑顔の人が多い。笑顔が好ましくない写真撮影では「笑わないでください」と注意書きがあることも。

 「笑顔が自然」というお国柄だ。笑うとストレスが緩和され免疫力が高まるともいわれる。この点は、米国に学ぶべきところだ。(東條仁史)