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北京 君の名は時代を映す

2017年09月13日

 中国では、名前を見ると生まれた時代が分かる人がいる。代表的なのが「李建国」「劉建国」といった「建国」さん。1949年に中華人民共和国が成立した時期に、多くの男性がこの名を付けられた。

 50~53年の朝鮮戦争で中国が参戦した時は「援朝(北朝鮮支援)」、66~76年の文化大革命時代は、紅衛兵を支持する意味で男性は「衛兵」、女性は「衛紅」が目立った。

 時代別以外に、日本人から見て不思議な名前も。中国スポーツ団体の幹部に「蒋効愚」という人がいる。「愚」に驚いたが「真の賢者は奥深く利口ぶらないから、一見すると愚者のようである(大智若愚)」という格言に由来するという。

 最近、北京の飲食店で、胸に「王亜男」というプレートを着けた女性店員に会った。「亜男」は直訳すると「男に次ぐ」。一緒に食事した中国人が「男のようにたくましく成長するように、という意味さ」と教えてくれた。店員さんに「この名前は好き?」と尋ねると、「もちろん。親の気持ちがこもってますから」とニッコリ。漢字発祥の地である中国。その奥深さに感心した。 (平岩勇司)