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ロンドン あのフレーズ お別れ

2017年09月12日

 テニス四大大会で最も古く格式高いウィンブルドン選手権。男女の区分けで「メン」「ウィメン」ではなく、「ジェントルメン」「レディース」という用語を今も使うのも、独特だ。日本語だと「殿方シングルス」「御婦人ダブルス」という感じだろうか。

 「レディース・アンド・ジェントルメン」。大会中の7月のある日、ごった返す会場最寄り駅のホームで駅員がマイクで呼び掛け、あわてて言い直した。「違った、乗客の皆さん(ディア・パッセンジャーズ)…」

 その日、英メディアでは、ロンドン交通局の新しい通達が報じられていた。駅の自動音声や駅員の呼び掛けで、昔から使われてきた「レディース・アンド・ジェントルメン(紳士・淑女の皆さん)」を禁じ、「ハロー、エブリワン」などに置き換えるという。「丁寧だけど時代遅れ」として、性的少数者に配慮を求めた声に応じたものだ。

 伝統を重んじつつ、時代の要請に沿った変革もいとわないのが英国社会。ただ、今回は慣れ親しんだフレーズだけに、「やりすぎ」という声もある。伝統と革新のバランスは難しい。 (小嶋麻友美)

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