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ソウル 手厚い支援の背景は

2017年09月15日

 「政治的な話には立ち入りたくないが・・・」。日中韓の記者交流プログラムで訪れたソウル郊外のベンチャー支援施設で、広報担当の白世鉉(ペクセヒョン)氏は何度も断った上で口にした。「朴槿恵(パククネ)前大統領の政策はすべて悪かったわけではない」

 施設は朴前政権下でつくられただけに、白氏の「前政権擁護」は意外ではないのかもしれない。プログラムに参加した韓国の記者も「政権がかわるたびに、あらゆる政策が180度変わってしまう」と嘆いた。

 こじゃれた空間の室内には無料で使える3Dプリンターが並び、ラフな服装の若者がパソコンに向かう。無料のオフィスや補助金、人材紹介などを提供し「起業の初期リスクを一部、肩代わりする」(白氏)。

 過保護とも思える起業支援策に、中国人記者から「競争にさらされないと、企業が育たないのでは」と厳しい質問も出た。

 日本を上回る経済成長率を続ける韓国だが、白氏の説明は半ば自虐的に響いた。若者の就職難、失敗を恐れる大企業、日本よりも低い出生率・・・。なりふり構わぬ支援の背景には、韓国社会の先行きへの不安があると感じた。 (中沢穣)

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