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米アンダーソン ゆるり味わうお国柄

2017年10月23日

 北米大陸を99年ぶりに横断した皆既日食を見るため、南部サウスカロライナ州アンダーソンの観賞会を訪ねた。

 芝生公園の特設ステージでは太陽が欠け始める前からアマチュアバンドが演奏。音楽を聞きながらバーベキューを楽しみ、日食が始まっても上空を気に掛けず、食事や会話に夢中な人たちも。日食のイラスト入りのTシャツを作り、指輪のように光る「ダイヤモンドリング」の絵を描いて即売し、観賞しながらひともうけを狙う女性もいた。

 太陽が半分ほど欠けたころ、雲が広がり、太陽は完全に隠れてしまった。米国人は自然に身を任せてのんびり構えているが、これでは台無しと、いても立ってもいられず、雲の切れ間に向けて車を走らせた。

 雲と追いかけっこして数回の移動を繰り返し、何とか教会の駐車場で観賞を再開すると、近くの男性は下ばかり見ている。太陽が月に隠れる瞬間が迫っているのにと首をかしげたが、地面には大きく欠けた太陽の形の美しい木漏れ日が広がっていた。世紀の天文ショーでも、あくせくせず、思い思いの自然体でイベントを楽しむ。これが米国人流だった。 (後藤孝好)

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