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バンコク 国外逃亡も想定内!?

2017年10月20日

 タイの最高裁の法廷から、記者たちが一斉に飛び出した。わがバンコク支局の助手も待機していた私に駆け寄って叫んだ。「インラックさんが病気を理由に出廷せず、最高裁が逮捕状を出しました」。頭の中に「?」がいくつも浮かんだ。

 職務怠慢の罪に問われたインラック前首相の判決公判が開かれた8月25日。開廷は日本時間午前11時だが、主文言い渡しの時間ははっきりしない。夕刊の締め切りぎりぎりになりそうなため、数種類の予定稿を準備しておいた。

 用意したのは「実刑」「執行猶予付き有罪」「無罪」の3種類。さすがに「国外逃亡」は想定していなかった。

 知人の政治学者に「あの日は慌てましてねえ」とこぼすと、「兄のタクシン氏も国外逃亡中ですよ。あり得る話と思っておかないと」と笑われた。

 バンコクに赴任して1年。タイ流の「想定外」は何度も経験した。最高裁を取り囲むインラック氏の支持者が取材に「私たちの写真を掲載して」とポーズをとるのも意外だった。その理由は「国外にいる彼女に、私たちが応援していることを伝えたい」だった。 (山上隆之)

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