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独ウォルフスブルク EV対抗の熱い思い

2017年10月31日

 排ガス不正や電気自動車(EV)への移行で逆風を受けるドイツのディーゼル車。生産地の声を聞こうとフォルクスワーゲン(VW)の本社があるウォルフスブルクに向かった。

 話題から、難しい取材になる覚悟はあったが、案の定市民の反応は芳しくない。「くつろいでいる週末にそんな話題か」と何度か嫌な顔をされた。

 偶然出会ったVW社員の男性(42)は真摯(しんし)に耳を傾けてくれた。彼はもてはやされるEVへの対抗心を隠さなかった。航続距離が短いという課題を挙げ「イタリアへ旅行するのに何回充電するんだい」。

 英仏が打ち出した2040年のエンジン車禁止の規制については「そのときEVが普及していなかったら、自転車にでも乗るのかい」。

 そして「車の燃料が電気に替わるとは限らない。水素を含めてあらゆる可能性がある」と言い「未来を決めるのは政治家じゃない。技術者だ」とも。

 週末に愉快ではない話題を振ったと恐縮する私に「いや、これは大切な議論だ」と言った。将来の業界変動に備え、真剣に思いを巡らせている様子が言葉から伝わった。 (垣見洋樹)

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