【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. 中国
  5. 中国・丹東 占領と戦争のなごり

中国・丹東 占領と戦争のなごり

2017年11月10日

 中国遼寧省丹東市にある「鴨緑江断橋」。中朝国境を流れる川の鴨緑江に架かる茶色の橋は、朝鮮戦争中に米軍の爆撃で破壊された姿のまま、無残な状態をさらしていた。

 川の途中で寸断された橋の上を中国側から進むと、北朝鮮側が見渡せる場所に着く。中朝関係は冷え切ったままだが、北朝鮮の生活ぶりを垣間見ることができ、今も中国人にとって人気の観光スポットだ。

 だが、この橋は朝鮮半島と旧満州(中国東北部)を支配していた当時の日本が建設した事実を、恥ずかしながら最近になって知った。中国人の観光ガイドは「かつて日本企業が丹東に造った紡績工場は今も稼働していますよ」と教えてくれた。

 日本と国交がなく体制も異なる北朝鮮は、地理的な感覚以上に遠い国に感じる。だが、歴史を振り返れば、国の成り立ちは戦前の日本とも無縁ではない。

 丹東の街の一角にあるショッピングモール。以前の丹東を再現したという店舗が並ぶ中に、日本のたこ焼き屋もあった。紛れもなく日本の文化が根付いていたのだろう。占領と戦争に翻弄(ほんろう)された地域の過去につい思いを巡らせた。 (秦淳哉)

旅コラム
国内
海外