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韓国・星州郡 渡りに船と思いきや

2017年11月08日

 夜を明かした取材は、朴槿恵(パククネ)前大統領を糾弾する「ろうそく集会」以来、約10カ月ぶり。米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の発射台搬入前日の午後11時ごろ、市民団体と警察の衝突する現場に入った。

 山中の一本道は団体側の車で封鎖され、搬入を防ぐ人々であふれる。割り込もうとする警官、叫びながら盾やヘルメットを奪い抵抗する市民・・・。私も何度か身の危険を感じた。押し引きが一晩中繰り返された翌朝午前8時すぎ、車は撤去され発射台が運び込まれた。

 警察の人海戦術の勝利-。やや強引なやり方に違和感も覚えつつ、記事と写真を送り、ソウルに帰ろうとして困った。規制のため、タクシーが現場まで来られないのだ。最寄り駅までは15キロ。意を決し、足を引きずって歩き始めた。

 1時間ほど歩き道端で休んでいると、規制の警官が「大丈夫かい」。事情を話すと、親切にも同僚の車で駅へ送ってくれるといい、ありがたく乗せていただいた。ただ道中、この同僚氏は「歴史問題で日本はきちんと謝罪すべきだ」と繰り返した。感謝しつつも、精神的疲労は少し増した。 (上野実輝彦)

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