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ソウル 同伴したのは逆効果

2017年11月22日

 ソウルの中心部では、よく集会が開かれている。先日も集会準備中の一団の横を通り抜けようとして、路肩にとめられた車の荷台のおりに気付いた。

 中には茶色の大型犬が3頭。荷台に「政府は食用犬農家を抹殺する政策を中断しろ」の文字が躍り、周囲の人々は「食用犬産業の合法化を」などと書かれたパネルを手にしている。食用犬の飼育業者の集会だった。

 体にいいとされる犬肉料理は1988年のソウル五輪の際、欧州の目を気にした政府が店を営業禁止に。その後は黙認されているが、ソウルで犬肉料理の看板を掲げる店は少ない。若い韓国人に聞いても食べたことのない人がほとんどで、年配者も「昔は食べた」という程度。犬はペットであり、犬肉は「こっそり食べる」イメージだったので、町中でのPRに驚いた。

 動物愛護団体も犬肉反対運動を繰り広げ、飼育業者の危機感は強い。食用犬を連れてきたのは「ペット犬と違うことを示すため」という。犬肉料理は1つの食文化だし私自身、食べたこともある。だがおりの犬を見ると「あえて食べなくても」との思いに。集会への犬同伴は多分逆効果だった。 (境田未緒)

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