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バンコク 書店で感じる「国父」

2017年12月15日

 バンコク中心部のデパートにある洋書店に立ち寄った際、日本ゆかりのあの作家が頭に浮かび、尋ねてみた。「カズオ・イシグロの本はありますか」。レジカウンターの女性店員はぴんとこない表情で「それは題名ですか」と聞き返す。

 ともかく、検索システムで調べてもらうと「THE BURIED GIANT(忘れられた巨人)」だけがヒットした。見つかった作品は、フィクションコーナーの最下段に1冊だけ控えめに置いてある。ノーベル賞決定の2日後だが、特別な扱いではないようだ。

 一番目立つ出入り口近くに特集コーナーが設けられていたのは、昨年10月に死去したプミポン前国王関連の書籍だった。ざっと数えただけで、20種類ほどある。ショーウインドーにも展示されていた。

 同様の光景は、バンコクの主要書店ならどこでも見られる。死去後、歩みをしのぶ書籍はベストセラーになっている。

 25~29日の前国王の葬儀が終わると喪明けだ。書店で見る風景はどう変わるのだろうか。「国父」と慕われた前国王の存在の大きさをあらためて感じる。 (北川成史)

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