2018年02月02日
ベトナムのダナンを11月上旬に訪れた。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の取材だ。記者証を受け取ろうと各国の記者が集まるメディアセンターへ。だが、受付の女性は「あなたの名前はありません」。目の前が暗くなった。
残っていた書類で調べてもらったら、10月に開かれた別のAPEC会合に間違って登録していた。ベトナム人担当者の電話に何度かけてもつかまらない。
ダナンでは米国離脱に伴う環太平洋連携協定(TPP)の見直し協議が続けられていた。だが、記者証がないため会場に近づくことができない。銃を持った警官たちに何度もにらまれ、追い返される始末。
落ち込んでいるときに、慰められたのがダナンの人々の優しさだった。絶望的な気分で入ったカフェで、「ありがとうございます」と流ちょうな日本語を話す男性店員。ホテルの女性従業員からは地元お薦めの海鮮レストランを教えてもらった。
再登録の依頼メールを送信して3日後、「記者証を用意できました」と連絡をいただいた。こちらのミスにもかかわらずAPEC事務局の親切な対応にも感謝したい。 (山上隆之)