2018年02月07日
一時帰国した際、両国国技館で買った大相撲の番付表を上海に持ち帰り、知り合いの中国人たちにお土産としてあげたら、面白がるのなんのって。
白い和紙にびっしり書かれた文字を見た途端、「什麼鬼(シェンマグイ)!(何じゃこりゃ)」と騒ぎだす。
彼らが関心を示したのは、地位によってしこ名の文字の大きさが違うこと。「ちょっと差別的ですね」と言うので、私が「強くなるほど名前も大きくなっていく。それを励みに一生懸命稽古するんですよ」と説明したら、大きくうなずいていた。
「なぜ力士の出身地が書いてあるのか」とも聞かれた。「中国でスポーツ選手の出身地が話題になることはない」からだ。
角界には「江戸の大関より故郷(くに)の三段目」という言葉があるように、相撲とふるさとは切っても切れない関係にある。力士は郷土の期待を背負って勝負に臨む。これは中国人にはない感覚のようだ。
今や若貴ブーム以来の相撲人気だが、番付表の現物を手に取る人は、日本人でもそれほど多くはない。外国人ならなおさらだ。次回はもっとたくさん買ってこよう。ちなみに1枚55円です。 (浅井正智)