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ソウル トラの尾を踏む会話

2018年03月08日

 「しまった」と思ったときには、すでに言葉が口をついて出ていた。来年2月に韓国で開催される平昌五輪の公式マスコットについて韓国の友人と話していたときのこと。「韓国には昔トラがいたんだよね」

 返ってきた言葉は「日本が植民地時代に絶滅させたのを知らないの?」。知ってはいたんだけど-という言葉をのみ込んだまま、韓国特有の犬も絶滅したなどの講義をしばし受けた。

 友人は、特に歴史に詳しいわけではない、日本の翻訳小説にも親しむごく普通の女性。植民地時代に朝鮮半島から姿を消した動物の絶滅原因には諸説あるが、何の悪意もなく「常識」を教えてくれただけだ。

 平昌五輪のマスコット「スホラン」は白虎。30年前のソウル五輪のマスコットもトラだった。建国神話に登場し、朝鮮半島がトラの形に見えることから韓国人が好きな動物の1つだ。

 コトの顛末(てんまつ)を韓国に住む日本人に話したら、「トラが今もいたら、韓国人が大好きな登山はできないね」と一言。確かに朝鮮半島にトラがいた昔、山に入るのは危険だった。でも韓国の友人に「だから良かったね」とは言えない。 (境田未緒)

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