2018年04月10日
年の初めに縁起よくオーロラを拝もうと、冬の休暇に北極圏の街フィンランド・ロバニエミを訪ねた。
旅程は2泊3日で目撃のチャンスは二夜。この時期はオーロラの発生率が高いと聞いて、期待に胸を躍らせた。
ネオンがともる街中から闇夜が広がる村までバスで30分。一晩目は一面の雲で目的を果たせず。二晩目は、天気予報の曇りマークの端に小さな月がのぞいているのを希望にして出向いたが、やはり雲が厚くてダメ。
ほほも凍り付く一面銀の静寂の中で待つこと各晩3時間。雄大な自然は、ちっぽけな自分の旅程の都合など構わず、ゆったりゆったりとしか様相を変えてくれない。
「悔しいな」。思わずつぶやくと、8歳の娘が「え、何が?」と屈託なく聞き返してきた。
そりゃ旅の一番の目的であった・・・と言いかけて彼女の言い分を聞いてみると、見たこともない一面のさらさら雪、姉との雪合戦、かまくら、犬ぞり体験など、この旅に大満足だという。
確かに、ないものを嘆くより、あるものを楽しんだ方が充実を味わえる。36歳下の後輩に教えられた。 (垣見洋樹)