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北京 親心が招く一極集中

2018年04月18日

 北京の中国総局に近い小児科専門病院の周辺は、いつも渋滞が激しい。インフルエンザ感染者が増えるこの時期は、さらに道路も交差点も車であふれ、ほとんど動かなくなる。有名病院のため地方ナンバーも目立つ。

 しびれを切らした人は車から降り、毛布や服でぐるぐる巻きにされた子どもを抱えて病院へと走りだす。

 「インフルエンザなら家の近くの病院でもいいのに」。知人に尋ねると「小さい病院は医師の信用がなく、設備も乏しくて行きたがらない」と説明する。また、外資系の「貴族病院」は医療保険がほとんど利かない。

 小児科専門医院の責任者は新聞やテレビで「来院する6、7割が呼吸器か消化器系の病気。小さい病院でも対応できる。大きな病院に来ると院内感染するリスクがある」と訴える。

 医療保険が適用される「衛生サービスセンター」が地区ごとにあり、総合診療や家庭医の重要性も叫ばれているが、なかなか理解が進まないようだ。

 総局近くのこの病院は数年後に郊外に移転する。1人っ子政策が長く続いた中国。子を持つ親の必死な思いは、新病院にも向かうのだろうか。 (安藤淳)

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