2018年04月12日
1月中旬から、パリの街角にモミの木が目立ち始めた。もっとも、クリスマスシーズンのモミの木とは様子が違い、緑色の葉は落ちて、枝が目立つ。「飾っていたツリーを再利用するため、市が回収しているの」と、木を持ち込んだ会社員オードさん(37)が言った。
パリ市は今年も、公園や住宅街に近い交差点など164カ所に回収場所を設けている。昨年は7万2000本が持ち込まれ、回収本数は年々増えている。
市によると、回収したモミの木は「細かく砕いて公園の植栽の根元にまき、寒さ対策と雑草が生えるのを防ぐ」という。不法投棄が多いのも、回収場所を設ける理由のひとつだ。
わが家でも初めて本物のモミの木を飾ってみたが、年明け早々に回収に出した。正月の門松やナンテンに慣れ親しんだ身には、ツリーが出ていると落ち着かない。オードさんに「せっかく飾ったんだから、もっと置けば良いのに」と苦笑された。
フランスでは年明け2日から業務を再開する企業が多い。特別なイベントは正月よりクリスマスらしいが、正月は…。郷に従うには、まだまだ時間がかかりそうだ。 (竹田佳彦)