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ソウル 日本食 実は「日本風」

2018年04月22日

 日本酒のアテに注文したはずなのに、なぜ甘い・・・? ソウルの日本式居酒屋で注文した「モッチリ豆腐」の味に絶句した私を、韓国人の友人たちがニヤリと笑って眺めていた。

 見た目は手のひらサイズの白い球体に、バルサミコ酢がかかった冷ややっこ。だが実は、生クリームや牛乳、くずを混ぜ砂糖で味付けして固めたものだった。友人によると、豆腐だと思って注文し、食べてから驚く日本人がたまにいるとのこと。

 この他に頼んだ「山芋納豆」にはカイワレとトビッコ、細かく刻んだたくあんがあしらわれている。「たこわさび」は生卵とかき混ぜて食べる仕様。どれも日本の居酒屋料理に近くはあるものの、微妙なアレンジが加えられている。

 ソウルの若者の間では現在、日本式居酒屋が人気。だが本格的な日本料理店で勤務経験のある友人によると「正式に日本食を学んだことがなく、独自の道を歩んでいる場合が多い」という。同席したもう1人は「日本食と思わず『日本風韓国料理』と思った方がいい」。なるほど確かに日本酒より韓国焼酎との方が相性が良い気がする。 (上野実輝彦)