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上海 たこ揚げは恋と同じ

2018年05月02日

 公園デビューを果たした。上海の自宅近くの公園でたこ揚げをする愛好家の仲間に入れてもらったのだ。

 買ったばかりのたこを組み立てようと公園でごそごそやっていたら、王双喜(おうそうき)さん(66)が「そんなやり方じゃだめだ」と手伝ってくれただけでなく揚げ方指導も。「たこ揚げは恋愛と同じ。糸を引っ張りすぎても、緩めすぎても相手は思い通りにならないんだ」と粋なことを言う。

 王さんをはじめ20人ほどが毎日やってくる。退職後のおじいさんたちばかりで、54歳の私は若造だ。ここではたこ揚げは子供の遊びではない。ついでに言えば、雨か無風でなければ、たこは年中揚がっている。たこ揚げは冬の遊びでもない。

 中国式揚げ方の特徴は、むやみに長いたこ糸を使って高く揚げることだろう。みんなのたこ糸は1000メートルとか1200メートル。糸を目いっぱい伸ばすと、その高さは東京スカイツリーどころではなく、たこが米粒のように見える。たこ揚げは子供のころから好きだが、これまで味わったことのない爽快感がたまらない。

 たこ糸を操りながら、横に立つ看板がひょっと目に入った。「たこ揚げ禁止」-。 (浅井正智)

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