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北京 興ざめした名曲鑑賞

2018年06月04日

 北朝鮮関係の取材のため、米名門オーケストラ、ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏会が開かれた、北京の中心部にある格式高い音楽ホールに足を運んだ。

 指定された座席に腰を落ち着けて周りを見渡すと、場内のあちこちで、赤いレーザー光線がぐるぐると回っていた。初めて見る光景。「何なんだ?」。光線の出元を探してみると、会場各地に配置された係員がレーザーポインターを握っていた。

 指揮者が登場し、演奏が始まっても、光線は相変わらずホール内を駆け巡っている。しばらくして、赤い光線の目的が判明した。観客が演奏の様子を撮影しようとすると、光線が観客のカメラやスマートフォンに照射されていた。写真撮影をしないよう注意するためだったのだ。

 2時間余りの上演中、ホール内のいたる所で、写真撮影を試みる人と、レーザー照射の「いたちごっこ」が繰り広げられていた。すぐに撮影機を引っ込める観客もいれば、照射が続いても、まったく気にかけない強者もいた。

 赤い光の乱舞に、すっかり興ざめした名曲鑑賞の夕べとなってしまった。 (城内康伸)

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