2018年05月30日
大きな成功といくつかの課題を残して閉幕した平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピック。競技場で集めた内外のアスリートや観客の声のうち、伝えきれなかったものを紹介したい。
「努力を重ねれば困難を克服し、夢をかなえられると感じてほしい」。ギリシャのアルペンスキー選手ペトラクスさんは、障害者スポーツの秘める「力」を強調した。スノーボードで2つの金メダルを獲得した米国のハッカビーさんも「自分らしさに自信を持ってほしい。それが誰かの力になっている」と観客にメッセージを送った。
元スウェーデン代表のパラリンピック選手で、現在は自治体の副市長を務めるレガさんは「大事なのは大会が終わった後」と指摘した。「持続的に関心を持って初めて社会が変わる」といい、パラリンピックはそのきっかけだと位置付ける。
これに関連して、スペイン障害者スポーツ連盟会長のガルシアさんは、多くの小中学生が授業で平昌大会を観戦したことを「障害への理解を広げる取り組み」と高く評価した。韓国でも2020年大会のホスト国日本でも、こうした取り組みが期待されている。 (上野実輝彦)