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ワシントン のどかな花見恋しい

2018年06月16日

 「いつ咲くかな」。近所の友人や取材先と幾度となく話題にした。米ホワイトハウスの南約2キロ、ポトマック川の河畔に並ぶ3000本余りの桜のことだ。

 国立公園局の開花予想は当初3月17日とされた。2月中の記録的な暖かさを反映したものだったが、3月に入ると一転、ひどい寒気が続いた。ちらほらと咲き始めた3月31日にはまさかの雪予報。この間、同局は開花予想を3度も修正し、新聞やテレビは開花の遅れや気象動向を連日、報道した。

 ほとりの桜が満開を迎えたのは4月7日。晴天にも恵まれ、河畔は花見客でごった返した。青空に映えるソメイヨシノを見上げながら笑顔で写真を撮る人々の姿は、ここ数年見続けたワシントンの春そのものだ。

 だが今年は何かが違う。そう、多くの人がコートを着込み、マフラーや毛糸帽で身を固めていたのだ。この日の気温は約1度。私たち4人家族も季節外れと知りつつ、防寒機能の高い冬山用ジャケットで臨んだ。

 飲食しながら桜を見物する習慣の薄い当地で、熱かんや温かいおでんは望むべくもない。日本の花見を恋しく思う、2018年の桜。 (石川智規)

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