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カイロ 安住の地求めて8800キロ

2018年06月25日

 エジプト大統領選を目前にした3月中旬、カイロにいる私に突然、SOSの電話が寄せられた。「韓国の空港にいる。助けてくれる人を知らないか」。マレーシアにいるはずのサラ・メハンナさん(29)だった。

 もともとフリー記者だった彼女は昨年6月、仲間と「貧者の組合」というグループを立ち上げた。カイロの地下鉄駅などに「満足していますか」などと政権批判を示唆するビラを貼った行為が「抗議活動をあおり立てた」とみなされ、逮捕された。

 保釈中にマレーシアに脱出。観光ビザで3カ月間の滞在が認められたが、同国は政治難民を認めていない。2月に本人不在のまま懲役2年の判決が出た。「帰国すれば刑務所行き。欧州はイスラム教徒への差別がある。ビザの要らない韓国しか選択肢はなかった」という。

 結局、韓国で支援団体の施設に仮住まいを見つけた。施設にいる約100人のうち25人はシシ政権の圧政から逃れたエジプト人だ。「(イスラム教の戒律に沿う)ハラルフードを見つけるのが大変。だから毎日魚を食べているの」。8800キロ離れた異国での寂しさを紛らわすかのように話した。 (奥田哲平)

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