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ロンドン 「偽ニュース」の被害に

2018年06月28日

 「ロシア紙にあなたの発言が引用されていますが、ご存じですか」。ロンドンの外国記者協会から突然、メールが届いた。

 添付された記事を元モスクワ特派員の先輩に調べてもらうと、ロシアで最大発行部数の新聞だった。最近の欧米とロシアの外交官追放合戦について、私が英国など欧米批判をしていることになっている。

 「ロシアでひどい火災もあったこの時期に、欧米は人間性を見せるべきだ」

 全く言った覚えがない。名刺入れを探り、協会のパーティーで会ったロシア人記者を思い出した。帰り際だったので急いで名刺交換し、二言三言交わしただけ。しかも「私」は記事後半で「年寄り」と表現されているが、一応まだ50歳だ。

 記事には知り合いのオーストラリア紙記者も引用され「証拠も示さずロシアを攻撃する」欧米に憤ったことになっている。この記者も「全く言っていない」と困り顔だった。

 この一件は協会で調査中。記事1本でロシア全体を判断するつもりはない。だが「偽ニュース」が問題視されている今、こうした記事は決してロシアのプラスとならない。 (阿部伸哉)

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