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メキシコ・ティフアナ 「使い捨て」悔しさ募る

2018年06月24日

 米国からメキシコ北部ティフアナへ入国してすぐ、古びた長屋の一角に米国旗が掲げられ、米軍の陸海空、海兵隊などのシンボルマークが並んでいる部屋があった。米軍の事務所のような雰囲気に驚いて訪ねてみると、米国から国外追放された退役軍人が集まっていた。

 米軍は米国籍を持っていなくても入隊が可能で、平時には1年間所属すれば、市民権を申請する資格が得られる。だが、手続きが必要なことを知らなかったり、交通違反など軽い罪を犯したりして、除隊後に国外退去となる人が多いという。

 事務所は国外追放されて途方に暮れた退役軍人が自暴自棄にならないようにと、同じ境遇のヘクター・ロペスさん(54)らがトランプ米大統領の就任後の昨年4月に開設した。米国の裁判所に提訴するなどして、再入国や米軍の年金受給の手助けをするが、なかなか認められない。

 米国内にいれば、退役軍人は命を懸けて国を守った英雄として尊敬され、至る所で貢献をたたえられる。ここの現状との落差に「ベトナムやイラクで従軍した仲間もいる。必要がなくなったら使い捨てだ」と悔しさをこらえていた。 (後藤孝好)

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