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ロンドン 出入り自由な「親睦会」

2018年07月03日

 ホスト国のメイ英首相が会場の入り口で一人一人を迎える。アフリカやアジア太平洋の首脳は民族衣装、ニュージーランドの女性首相はマタニティードレスで登場した。スーツ姿だけでない多様性に目を見張る。

 参加53カ国、総人口は世界人口の3分の1に近い約24億人。4月19、20の両日、ロンドンで開かれた英連邦首脳会議だ。

 日本でほとんどなじみがないのは、旧英領の国が中心の親睦会のような組織だからか。メディアセンターでも、記者が締め切りに追われ、パソコンをたたきまくる風景はほとんど見なかった。

 「英連邦」と訳されるが、英語では「The Commonwealth」で「英」はとうの昔に名称から消えている。実際、ルワンダとモザンビークは英領だった歴史がない。

 共同声明を読んでまたびっくり。「ガンビアの再加入を歓迎」「モルディブの退会は残念」と、出入りはかなり自由。しかし小国を外交経験豊富な英国がバックアップする仕組みもあり、加盟申請は多いのだとか。欧州連合(EU)離脱を前にしても、英国が妙に自信たっぷりなのはこのせいか? (阿部伸哉)