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英ベルファスト 航海の安全 導くのは

2018年07月11日

 約100年前、初航海で氷山に衝突、沈没した豪華客船タイタニックは英・北アイルランドのベルファストで造られた。港の博物館に建造過程や客室が再現され、多くの観光客が訪れる。

 周辺は真新しいマンション、ホテル、商業施設が立ち並ぶ。死者3500人を超えた約30年間の分離独立闘争が1998年に終わり、人々は平和を手に入れ、町は発展した。

 夜、本場のアイリッシュパブをのぞくと、映画タイタニック(97年)の3等室のパーティーのようだった。酔客たちはギネス片手に、生バンドの軽快な演奏に合わせて手拍子し、踊った。アイリッシュダンスのステップを踏む女の子もいた。

 客の中にはカトリックもプロテスタントもいただろう。でも誰も意に介さない。陽気なうたげは日付が変わっても続いた。

 この平和は今、英国の欧州連合離脱(ブレグジット)で揺れている。「ベルファストがタイタニックなら、ブレグジットは氷山か」。地元の政治家は「タイタニックは船長が悪かった。人災だ」と答えた。その通り。氷山への衝突を避け、船を安全な航路に導くのは政治家の責務である。 (沢田千秋)

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